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株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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バフェット氏の失敗


名投資家の失敗 バフェット

「安物買いの銭失い」とか、「バーゲンセールで安さにつられて不要なものを買って
失敗したようなものだ」と言ってしまうのは簡単なのだが、バフェットの犯した「安物
買い」の失敗の本質について、もう少し掘り下げて考えて見たいと思う。中長期
投資派の人にとっては重要な話しとなるだろう。

株の価値=今の実力+将来性

「例えば、1株当りの純資産が1000円で、一株あたりの利益が50円あるのに、株価が
300円の株(PER6倍、PBR0.3倍)があったら、買いたい?」と聞かれたら、なんと
答えるだろうか。これは、いわゆるバリュー株投資(割安株投資)の話。これなら
買いたいって言うんだろうな。こうした素朴なバリュー株投資については、バフェットの
失敗例が象徴するように、その有効性は小さくなってきているのではないかと思うが、
バフェット自身もそうしたことを痛感して、投資法を修正していったのはご存知だろうか。
ここで、この株式投資における株式の価値というものを非常に単純に公式化すれば、

株の価値=今の実力+将来性

と考えることができるだろう。今の実力とは、現在の稼ぐ能力(収益力)と、現在の
資産から測ることができる。これは、現に数字ではっきり示され、会社四季報でも確認
できる。要するに、1株純資産がいくらで、1株益がいくらで、というような話。(もちろん、
隠れた負債がないかなどは、注意すべき点だが)それに対して、将来性というのは、
重要だとは分っていても非常に測りづらい。少なくとも、具体的に数値化することは
至難の技。

「将来性はマイナス」ということもある

例えば、ある株について、「今の実力」の価値が100で、「将来性」の価値が200だ
としよう。合計で300の価値がこの株にはあることになる。そして、株価は150だと
する。この150というのは、「今の実力」(100)から考えれば割高に見えるのだが、
将来性も加味して考えれば(300)、割安という計算になる。今度は、別の株について
考えてみる。例えば、「今の実力」から考えると100くらいの価値があるのに、株価が
30でしかなかったらどうだろうか。たとえ「将来性」による価値がゼロだとしても、
やはり割安ではないか?そういう風に考えていくと現時点の価値と株価を比べるだけ
では株価の妥当性を測りきれないことは想像できるだろう。しかし、この将来性による
価値がマイナスのものがあるということも考えておかないといけない。つまり、業績が
どんどん落ち込み、ついには、資産を食いつぶしながら存続することになってしまう
会社も残念ながら存在するということである。この場合には、「将来性」は-90かも
しれない。そうなると、「今の実力」+「将来性」=100-90=10となり、30でも非常に
割高ということになるのだから。

このようなことを実感するような経験をした方は、結構多いのかもしれない。1株益や
1株純資産からみて割安だと思って買ったけど、株価は低迷したままで、気づいて
見たら、営業損益は赤字になり、資産も年々減少するようなボロ株になってしまった
などということが…。つまり、大まかでもいいから、企業の将来像を考えて見ることが
株式投資において大変重要になってくることがお分かりいただけるものと思う。
もちろん、将来性というのは、非常に捉えづらいもの。しかし、ファンダメンタル派、
あるいは長期派にとっては、どうしても考慮しなければならない重要ポイント。せめて、
大まかにでも将来的な企業のイメージとか、収益のイメージが描けないものは、
ファンダメンタル派、長期派の投資対象にはなり得ないと考えた方がよい。

別のいい方をすると、「今の実力」(1株益、1株純資産)から考えて割安にみえる
株については、将来性に不安がないのか、十分に調べたり考えてみることが必要。
もちろん、将来性にも自信が持てて、なおかつ、今の実力から考えても割安で
あれば、それはお買い得ということになるのだから。

最も怖い「隠れた負債」とは、「マイナスの将来性」

現在現れている数字だけで投資判断してしまうことは、非常に危険。隠れた負債と
いうのは怖いわけだが、何よりも怖い隠された負債とは、マイナスの将来性と
いってもいいだろう。むやみやたらと成長性や収益性ばかりを重視して企業の価値
(株価の価値)について考えることを忘れてしまうのも危険だが、将来性についての
考慮を欠いたバリュー投資も、これまた怖いものだといえるだろう。


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